前歯の入れ歯の費用と優先すべき4つのチェックポイント
2017.02.28更新
永久歯の前歯を失ってしまったとき、どのような修復方法がよいでしょうか?インプラントなどに抵抗がある場合、入れ歯にするという選択肢があります。
しかし入れ歯の種類は非常にたくさんあり、どのように選んだらよいか迷ってしまうことも。
そこで、前歯の入れ歯を作る際にチェックしておきたいポイントや、費用相場についてご紹介します。
前歯なら、見た目の良さをチェック!
前歯はニッコリ笑ったときに見える部分。できれば目立たないようにしたいものですね。
そんな方には審美面が優れた入れ歯を選ばれることをおすすめします。
保険の部分入れ歯は金属のクラスプが目立ってしまう
保険適応の入れ歯の場合、失った歯の両側の歯に金属のバネ(クラスプ)をかけて固定します。
笑った時など口を開ける際に金属が見える場合が多く、見た目が気になる方にはおすすめできません。
薄くてなじむ、違和感の少なさをチェック!
出来上がった入れ歯が天然の歯に比べて厚みがあると、外から見て口元に違和感が出ることもあります。
薄くて違和感の少ない入れ歯にすることは可能なのでしょうか?
保険の部分入れ歯は厚みのある素材しか使えない
保険適応の入れ歯に使われる素材は、薄く作ってしまうと破損しやすく、歯茎に当たる部分(義歯床)には厚みのある硬い素材のプラスチックしか使えません。
そこで違和感を覚えたり、食事の際にうまく噛めないと感じる方もいます。
浮いたりしない、安定感をチェック!
せっかく入れ歯を作っても、顎の骨が痩せてしまっていると入れ歯を支えることが困難な場合があります。
そのような場合でも、しっかり安定させることができる入れ歯があります。
保険の部分入れ歯は厚みのせいで浮いてしまいがち
保険適応の素材で作られた部分入れ歯は、厚みのせいで安定が難しい場合があります。
特に顎の骨が痩せてしまっている方は義歯床が安定しにくくおすすめできません。
前歯におすすめの部分入れ歯をご紹介!
それでは、ここまで見てきたチェックポイントを踏まえた上で、前歯におすすめの部分入れ歯をご紹介します。前歯に使用しても見た目や機能的に違和感が少なく、おすすめできる部分入れ歯にはどんなものがあるのかを具体的にご紹介します。
スマイルデンチャーが目立たなくておすすめ!
金具が目立たず、薄くてぴったりとなじむ前歯の部分入れ歯を求めるなら、スマイルデンチャーがおすすめです。
<メリット1>歯茎と同じ色のクラスプなので目立たない
スマイルデンチャーを歯に引っ掛けるためのクラスプ部分は、歯ぐきと同じ色をしています。義歯床部分と同じ素材を加工して作っているのです。
通常の部分入れ歯であれば、口を大きく開けて笑ったときなどに金属のクラスプ(バネ)が目立ってしまいますが、スマイルデンチャーのクラスプであればよほど近づかない限り入れ歯とはわかりにくく、自然な仕上がりです。
<メリット2>薄い仕上がりで強度も抜群
スマイルデンチャーに使用される素材はとても強度と柔軟性のある材質です。義歯床を薄く作製することが可能で、口の中にぴったりとなじみます。
薄くて透明感もあるため、歯茎と馴染んだ見た目になり、装着していることに気付かれにくい入れ歯です。
<注意点1>後から修復が難しい。大切に使おう!
スマイルデンチャーの素材は柔軟性のがあるということがメリットでもありますが、この材質は床の部分を追加したり人工歯を追加したりすることができません。
そこで、もしもお口に合わなくなってしまった場合、全体的に作り変える必要があります。長く使い続けるためには、乱雑に扱わず、お手入れもしっかりおこないましょう。
<注意点2>保険が利かない入れ歯です
スマイルデンチャーは保険外診療の入れ歯になります。修復する歯の本数で金額にも差がありますが、保険の入れ歯よりもかなり高額になりますので、よく説明を受け、納得の上で作製するようにしましょう。
下顎の骨がやせてしまっているなら磁石で支えよう
安定してしっかり噛める前歯の部分入れ歯を求めるなら、歯の根に磁石を取り付けて固定するマグネットデンチャーが良いかもしれません。
<メリット1>磁石で固定して、顎堤が低くても安定させられる
歯の根っこが残っていれば、そこに金属を装着し、入れ歯側にはマグネットを埋め込みます。そして入れ歯を磁力で引き合わせることによって安定させるのがマグネットデンチャーです。
顎の骨が痩せ、歯ぐきの土手が低くなってしまい、入れ歯を安定させるのが難しくなってしまった人でもしっかり安定させることができます。
場合によっては、入れ歯を作り直さなくても、使用していた入れ歯を活用して磁石を埋め込むだけでよい場合もあります。
<メリット2>完全に固定するインプラントとは違い、取り外し可能
磁力が引き合うことによってしっかり安定し噛む事ができますが、完全に固定するわけではありません。そこで横から力を加えることによって簡単に外すことができるため、清掃もしやすく、お口を清潔に保つことができます。
<注意点1>歯の根が残っていない場合、インプラントとの併用が必要です
この入れ歯は、あくまでも歯の根っこが残っている場合の入れ歯です。歯の根っこに金属を取り付けるため、歯の根が全くない場合はそのままでは使えないのです。
そういった場合、インプラント手術で土台を顎堤に埋め込み、インプラントの先に金属を取り付けることもあります。インプラント埋入のための手術と、それに伴う金銭的・肉体的負担が伴います。
<注意点2>磁石による影響が考えられる場合は外しましょう
マグネットデンチャーには磁石を使用しているため、磁場による問題が起こらないとも限りません。これまでに問題が起きたという報告はありませんが、MRIなどを受ける場合には、検査前に入れ歯を外すか、主治医に相談してから受けるようにしましょう。
気になる費用は?
見た目や機能性が優れた入れ歯が良いと言っても、「費用はどれくらいかかるのか」というところも気になるところではないでしょうか。
入れ歯ごとのおおまかな費用をご紹介します。
保険の入れ歯は比較的安価
見た目や操作性よりも、まずは価格を抑えたいという場合は、保険適応の入れ歯が比較的安価で製作できます。
修復本数等によりますが、5000円~13000円程度です。
スマイルデンチャーは自費診療
スマイルデンチャーは保険適応外のため、自費診療の入れ歯です。
歯科医院によって価格設定が変わりますが、片側でおおむね10~20万円くらいです。
まとめ
入れ歯は保険適応であるか否かで、かかる金額が大きく違います。
金額だけで考えれば、保険適応の入れ歯がお手頃な価格です。
しかし修復箇所が前歯であれば、審美性や装着時の違和感なども気になるところ。
人の第一印象は「表情」とも言われます。
入れ歯を気にせず笑顔で過ごすために、自費診療の装置も含めて検討されてみてはいかがでしょうか?