2016.11.07更新

2017.04.18更新

口内の変化に要注意

 

入れ歯を使い始めて、口の中に口内炎ができやすくなったと感じる方はいませんか?

もしかしたら口内炎は入れ歯トラブルの前兆かもしれません!

口腔内の健康を保ち、せっかく作った入れ歯を使い続けるためにも、入れ歯を使い始めたら口腔内の状態チェックの習慣をつけていきたいものです。

 

入れ歯にまつわる口内炎の対処法とは

口内炎

 

入れ歯を使い始めてから口内炎ができたという場合、さまざまな要因が考えられます。

入れ歯に関連して発症する口内炎をご紹介します。

 

義歯性口内炎

 

義歯性口内炎とは、入れ歯の下に蓄積された汚れに細菌が増殖し、炎症を引き起こすものです。

この汚れ「デンチャープラーク」には、カンジダ菌が多数含まれており、発赤や出血の原因となります。

カンジダ菌は刺激に対する抵抗力を失わせ、口内炎を悪化させたり出血を引き起こしたりすることもあります。

入れ歯洗浄のイラスト

 

口内炎を早く治すためには、原因となっている義歯を清潔に保つことから始めましょう。

毎食後丁寧に清掃し、入れ歯洗浄剤で除菌をするのも効果的。

洗口剤を併用するのもおすすめです。

 

金属アレルギーが原因の口内炎

 

金属アレルギーが原因で口内炎ができることもあります。

金属から溶け出したイオンが体内のたんぱく質と結合してアレルゲンを作り出してしまうことがあるのです。

口内炎の他にも、舌炎や口角炎・口腔扁平苔癬などが発生したり、皮膚炎や掌蹠嚢胞症・アトピー様の皮膚炎・接触皮膚炎を発症したり、全身の症状につながることも。

 

金属アレルギーが心配な方は義歯製作前に歯科医師に知らせておきましょう。

金属を使わない入れ歯を選択する方法もあります。

また、古い金属からはイオンが溶け出しやすくなりますので、古い詰め物を取り替えるなどの対処をおこなうことをお勧めします。

 

粘膜が傷つくことによる潰瘍性口内炎

 

入れ歯が合わないことによって、不適合部分が粘膜を傷つけてしまい、それが引き金になってできる潰瘍性の口内炎があります。

通常の口内炎であれば1週間から10日で治ることが多いのですが、入れ歯が当たることが原因の場合、入れ歯の調整がされないまま使用を続けていると同じ場所を何度も傷つけてしまい、繰り返す可能性が高いのです。

潰瘍性の口内炎は、潰れて出血を伴ったり、水ぶくれができたりする場合もあります。

また、ひどい場合には発熱を伴うこともありますので、治りにくい場合には早めに歯科医院を受診するようにしましょう。

 

入れ歯以外の原因による口内炎の対処法もチェック

 

入れ歯以外の原因によって口内炎を発症してしまった場合でも注意が必要です。

快適な入れ歯の使用を妨げないようにするためにも、口内炎ができてしまったら適切に対処したいものですね。

 

唾液の減少による口内炎

 

お口の中の粘膜は、唾液によって満たされることにより、常に保護されています。つまり、唾液が少ない口腔内は、クッションの役割を失ったような状態です。食べ物や入れ歯などで粘膜に傷がつきやすく、口内炎ができやすい環境になってしまうのです。

唾液の分泌を促すためには「よく噛む」ということが大切です。お口を動かすことで唾液の分泌を促すことができます。ガムを噛んだりするのもよいでしょう。

他にも梅干しやレモンなど酸味のあるものを食べるのも唾液の分泌を促してくれます。

また、唾液腺のある耳の下や顎の下あたりの頬を押してマッサージをすることや、こまめな水分補給を心掛けることなども効果的です。

 

免疫力の低下による口内炎

 

お口の中にはもともと常在している菌が300種類くらい存在するとされています。さまざまな菌があり、すべてが悪い菌というわけではありません。

健康な状態であれば善玉菌がバランスを保ってくれ、細菌やウイルスが侵入してきても問題ないのですが、病気や疲れ・ストレスなどで身体が弱って免疫力が低下していると、悪玉菌が優勢となって口内炎を発症しやすい環境になってしまうことがあります。

日頃から身体の免疫力を高めるように努めましょう。また、疲れやストレスを感じたらリフレッシュしたり休息を取ったりするなどして、なるべく疲れをため込まないようにしましょう。

 

栄養の偏り・ビタミン不足による口内炎

 

偏食によって栄養が偏ってしまうと、ビタミン不足などの栄養障害が起こることがあります。

口内炎の予防や回復力を高める栄養素として、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンAなどが挙げられ、特にビタミンB群の中のビタミンB2は粘膜の保護作用があるとされていますので、不足すると口内炎ができやすい状態になっているといえます。

ただし必要なビタミンだけを摂っていれば良いというわけではありません。さまざまな栄養をバランスよく摂取することが大切です。

日頃からバランスのよい食事を心がけ、不足しがちな栄養素はサプリメントを摂るなどの工夫を取り入れてもよいでしょう。

 

入れ歯を外してチェックするべき3つのポイント

入れ歯を外したら口内をチェック

 

「もしかしたら入れ歯が原因?」と思わしい口内炎ができてしまったら、まずは入れ歯を外してチェックしてみましょう。

 

入れ歯があたって赤くなっていないか

 

入れ歯が合わなくなり、粘膜に接触する刺激で口内炎ができることがあります。

この場合、原因となる入れ歯の調整が必要です。

 

部分入れ歯を支えている歯に異常は無いか

 

部分入れ歯は、隣接する歯に支えの金属バネをかけます。

長く使っているとバネが合わなくなり、そのままにしていると噛む力が過度に加わってしまいます。

もしその歯に歯周病があると、強い力が加わることで骨が溶けやすくなり、歯周病が悪化してしまうこともあります。

また、金属バネに汚れが溜まりやすくもなるため、歯周病菌と相まって、口内炎を悪化させることにもつながってしまいます。

 

口臭はしないか

状態の悪い部分入れ歯のイラスト

 

入れ歯が清潔に保たれていないと細菌が繁殖し、口内炎になりやすくなります。

このデンチャープラークは時間がたてばたつほど腐敗し悪臭を放ちます。

口腔内が不潔だと、口内炎もできやすく悪化もしやすくなります。

口臭が気になる場合は入れ歯の清掃状態をチェックしましょう。

 

歯が一本も無くても、歯肉のブラッシングをしましょう

歯ブラシを持った女性の写真

 

もしもすべての歯を失っている場合、「歯がないなら歯磨きは必要ない」と思ってしまいませんか?

実は歯が無くても歯磨きは必須なのです。

 

歯茎ケアの重要性

 

歯茎は適度な刺激が届かないと退縮し、入れ歯が合わなくなる原因にもなります。

そこで、歯が1本も無くなり総入れ歯であったとしても、入れ歯の下の歯ぐきを歯ブラシで刺激してあげることが大切です。

 

歯茎の磨き方

 

毛先がやわらかい歯ブラシで、歯茎の上部だけでなく頬っぺた側や舌側など、歯ブラシを細かく動かして様々な部分を刺激しましょう。

このとき、強く大きく動かすと粘膜を傷つけてしまうので注意が必要です。

粘膜用のブラシもあるので、それを利用するのもよいでしょう。

 

仕上げに洗口液でうがいを

 

歯が無くても、お口の中にはさまざまな細菌が常在しています。入れ歯を入れることで細菌が繁殖することがありますので、歯茎ケアの補助的なケアとして、殺菌成分の配合された洗口液でうがいをするのも効果的です。

 

治らなかったら必ず歯科医院へ!

 

通常、口内炎は1週間から10日ほどで自然に治ります。ただし、入れ歯が合わずに常時粘膜に当たっている部分や、免疫力低下などといったさまざまな要因が重なることで、治りが悪く長引いてしまうこともあるでしょう。

原因を解消したのにも関わらず、なかなか口内炎が治らないといった場合に、「口内炎だと思っていたら実は口腔がんだった」というケースもあります。

あまりにも長引く口内炎は、必ず歯科で診察を受けるようにしましょう。

 

まとめ

ブラッシングをする男性の写真

 

入れ歯は、お口の中に「人工の装置」を入れるわけですから、さまざまな不具合から口内炎に繋がることはありがちです。

入れ歯と上手に付き合っていくために、もしも口内炎ができてしまったら、入れ歯によるトラブルのサインかも知れないことを心に留めておいてください。

そして口内炎に発展しなくても良いようにお口を清潔に保つことを心掛けましょう。

 

2016.11.04更新

歯列模型写真

 

入れ歯を使用していると、外したほうがいいのか迷う場面もあると思います。

どんな場面で外すのかは、それぞれの歯の状態や状況によって違いがあるようです。

今回さまざまなシチュエーションごとで「外すべき」か「外さなくていい」のかといった疑問にお答えします。

 

寝るときは入れ歯を外す?入れたまま?

寝るとき入れ歯の着脱は

 

まず一番疑問を持ちやすいのが、「就寝中は着けたままでいいのか」という疑問でしょう。

どんな場合は外し、どんな場合はそのままのほうが良いのでしょうか?

 

自分の歯が多い方は、外してもOK!

 

残存する歯が多く、部分入れ歯のみを使っている方であれば、寝ている間外していても、それほど

噛み合わせに影響が及ぶこともありません。

就寝中に歯ぐきを休ませる効果もあります。

また、部分入れ歯は小さいため、就寝中に外れて誤飲してしまうことへの予防対策にもなります。

 

残っている歯が少ない方は、入れたままで!

 

残っている歯が少ない方は、外していると残存歯にすべての噛む力がかかってしまうため、噛み合わせに悪影響が及ぶことも。

その場合には外さないほうが良いと指導されることがあります。

 

飛行機に乗る前の金属探知機…引っかかったら恥ずかしいから外すべき?

空港のイラスト

 

飛行機の搭乗前に受ける金属探知機による検査。

「ゲートでブザーが鳴ったら恥ずかしいから外しておくべき?」と迷ってしまいませんか?

 

金属探知機には感知する金属重量があった!

空港の金属探知機のゲート

 

金属探知機は、ある一定の重さ(20g前後)以上の金属に反応する設定になっています。

入れ歯の金属バネなどは非常に軽いので、反応することはまず無いでしょう。

人前で外すことになったり、入れ歯が入っていることを説明するような事態になったりはしませんので、心配ご無用です。

 

プールや海水浴で無くすのが不安!外して泳ぐべき?

プールにいる老人男女のイラスト

 

大勢の人が集まるプールや海水浴などの夏のレジャー。

よく指輪やメガネなどが外れてしまい、無くしてしまったという声も聞きますよね。

入れ歯もなくなりやすいのでは?という不安を持つ方もいるでしょう。

 

定期的なメンテナンスで調整を受けていれば大丈夫!

 

定期的なメンテナンスを欠かさず受けていれば、そう簡単に遊泳中に入れ歯が外れるような事態にはならないため、事前に外しておく必要はないでしょう。

しかしメンテナンスを怠り、入れ歯が緩んでいたりすれば外れる可能性もありますので注意が必要です。

 

不安な時は「入れ歯安定剤」などを活用

入れ歯安定剤は適切な種類を選ぼう

 

外れることが心配であれば、「入れ歯安定剤」を使用するのも方法の一つ。

ただし様々な種類があるので、用法などよく読んで適切なものを選ぶようにしましょう。

 

レントゲン撮影時には外したほうがいい?

レントゲンのイラスト

 

レントゲン撮影時は、指輪やネックレスなどの金属を外すように促されます。

入れ歯に金属が含まれる場合も外さなければならないのでしょうか?

 

病巣を見逃さないために外すべき

 

撮影したい部位付近に金属があると、X線吸収率がよいため白く影になってしまいます。

本来ならば写るべき病巣を見逃してしまうことになるため、金属類を外して撮影するのです。

特にお口のレントゲンを撮影する場合、金属バネが邪魔して歯と歯の間の虫歯などがわかり辛いため外します。

 

MRI検査でも外さなくてはならないのか?

MRI検査イラスト

 

MRI検査は、X線を使わず靭帯の断面画像を撮影できる機器です。

強い磁場の中で金属の含まれた入れ歯をしたまま撮影すると、不具合を起こす可能性があるため外した方がよいでしょう。

検査中に熱を発生して火傷を起こす危険性や、磁石の入った入れ歯は磁石が壊れたりすることも考えられます。

 

まとめ

 

通常の生活の中で、入れ歯を外すシチュエーションは特に多くないようです。

しかし口の中の状態によっては外したほうが良い場合も。

また、検査等で人体に影響を及ぼす可能性が少しでもある場合は外したほうがよいでしょう。

いずれにしても、かかりつけ医や医療スタッフによる説明があります。

変形や破損にもつながりますので、自己判断ではなく歯科医師や歯科衛生師の指示に従いましょう。

2016.11.03更新

入れ歯イメージ

 

入れ歯は完成したら終わりではありません。

せっかくお口にピッタリの入れ歯を作っても、日々のお手入れを怠ると大変な事態を招くことに。

たとえば定期的なメンテナンスを受けずにいたり、保管方法が不適切であったりすると、口腔内や全身に悪影響を及ぼすこともあるのです。

 

毎日行う基本のお手入れ方法

 

人工の歯といえども日々のお手入れを欠かしてしまうと、他の歯が虫歯や歯周病になることもあります。

まずは毎日行うであろう一般的な入れ歯のホームケアをご紹介します。

 

1.すすぎ洗い

入れ歯のすすぎ洗い

 

まずは食べかすやヌメリを流水でしっかり洗い流します。

この時、熱いお湯を使えば殺菌消毒ができそうな気がしますが、入れ歯の素材が高温で変形する恐れがあります。

必ず水で流すようにしてください。

 

2.ブラッシング

入れ歯のブラッシング

 

本体を入れ歯専用の歯ブラシで磨きましょう。

金属バネ(クラスプ)部を磨くとき、無理な力をかけすぎると変形してしまうので注意。

歯磨き粉を使ってしまうと、研磨剤で入れ歯を傷つけてしまうので、素磨きが望ましいです。

 

3.もう一度すすぐ

 

磨いた後は浮いた汚れをよく洗い流して仕上げます。

 

お手入れで入れ歯を外したら、口内チェックも行いましょう

 

毎日のお手入れの際には、入れ歯そのものだけを洗ったり磨いたりすればよいというわけではありません。

外したときに残存している歯も清掃をおこない、さらにお口の中の粘膜などに異変が無いか確認することをオススメします。

 

では、具体的にどんなところを確認すればよいのでしょうか?

 

1.グラついている歯は無いか

グラついている歯は無いか

部分入れ歯を使用している場合、残存している歯に入れ歯を固定するため、どうしても負荷がかかってしまいます。これによって健康な歯であっても歯がダメージを受けて根っこが吸収されてしまうと、歯がグラつく症状が起こる場合があります。

 

しかし、入れ歯を付けている時にはあまり気づくことができません。入れ歯を外して残存歯だけになった時、グラグラしている歯が無いかどうかチェックするようにしましょう。

 

2.極度に口内が乾燥していないか

極度に口内が乾燥していないか

入れ歯を使用していると、噛みにくさなどから咀嚼回数が減る傾向があり、唾液腺が刺激されにくくなると唾液の分泌が減少することがあります。

また、義歯床で唾液腺が覆われることも、唾液減少の原因になります。

入れ歯を外したお口の中に潤いが少ないと

感じたら、唾液分泌量が足りていないのかもしれません。

 

唾液には入れ歯と歯茎を密着させる役割もあり、唾液が少ないと入れ歯が安定しにくくなってしまいます。また、そのことによって入れ歯が歯茎に直接当たるため、お口を動かしたときに擦れて歯ぐきを傷つける原因にもなるのです。

これらも外した時に気付くことが多いので気にかけておきましょう。

 

3.口内炎ができたり増えたりしていないか

入れ歯と接している歯茎の粘膜は、通常よりもダメージを受けやすい環境になっています。入れ歯が合っていないまま使用していると、入れ歯が強く当たる部分が口内炎になってしまうことがあります。

 

いつも同じ場所に口内炎ができていないか、また数が増えていたり、頻繁に繰り返したりといった症状があれば、入れ歯の調整が必要になる可能性が高いです。

痛みは我慢せずに、早めに歯科医院に相談するようにしましょう。

 

4.入れ歯が当たって赤くなっていないか

入れ歯を外したあとの粘膜に赤くなっている部分があれば、入れ歯が当たっている場所である以外にも、歯肉炎になっている可能性もあります。

 

合わない入れ歯をしていると、入れ歯と粘膜の間にすき間ができてしまい、そこに食べかすや歯垢などの汚れが溜まりがちです。それらの刺激によって歯茎が腫れて歯周病の症状を起こすことがあります。

入れ歯を清掃する際には、お口の中もゆすぐなどのケアを怠らないようにしましょう。

 

5.残存歯に虫歯ができていないか

残存歯に虫歯ができていないか

部分入れ歯の場合、隣の歯の歯茎のあたりに「クラスプ」という金属のバネで入れ歯を固定します。

元々歯と歯茎の境目は虫歯になりやすい場所です。そこに金属の装置が常に当たっているのですから、汚れが残りやすくてさらに虫歯になりやすい環境だといえます。

 

入れ歯の両側の歯は特に気を付けて観察するようにしましょう。

そして、入れ歯を外した際には、残存している歯もしっかり磨くように習慣づけてください。

 

6.「口腔カンジタ」にも注意!

もしも歯茎に白いブツブツした発疹ができていたら「口腔カンジタ」かもしれません。

合わない入れ歯を長く使っていることで粘膜と入れ歯の間に汚れが溜まってしまうことは先にもご紹介しましたが、これが原因で口腔カンジタを発症してしまうこともありますので、赤くなっているところだけでなく、このような変化にも気づけるようにしっかりチェックしてくださいね。

 

定期的に入れ歯洗浄剤を使いましょう

入れ歯洗浄剤を使おう

 

洗浄剤には、入れ歯に付着する臭いの原因となる雑菌の除去、タバコのヤニやコーヒー・茶しぶなどの着色を落す効果があります。

使用方法や効果は製品によって違いますので、説明書の用法を守って使用してください。

 

寝るときは外す?つけたまま?

寝るとき入れ歯はどうするか

 

就寝時に着けたままでよいか、もしくは外すのかは、患者さんの症状によって異なります。

外したほうが衛生的だと思われがちですが、かみ合わせへの影響を考えて、付けたまま寝るように指導される場合もあります。

主治医の指示に従いましょう。

 

入れ歯の保管はどうすればいいの?

 

前述しましたように、常時つけたままなのか、外すことがあるのかは人それぞれ。

もしも外すように指導された場合は、乾燥による変形や破損が起こらないように、水や洗浄剤などを入れた専用容器に入れて保管するようにしましょう。

 

入れ歯のお手入れを怠るとこんな恐ろしいことが……

入れ歯のお手入れを怠ると

 

入れ歯とはいえ、天然歯と同じように歯垢や食べかすが付着します。

もしもお手入れを怠ってしまうと、大変な事態を招くこともあります。

 

1.臭いや汚れがつく

 

入れ歯に付着した歯垢や食べカスが腐敗し、口臭の原因になってしまいます。

 

2.入れ歯にカンジタ菌が増殖する

 

入れ歯が不衛生な状態にあると、カンジダ菌などが増殖します。

これらは加齢やストレスなどで抵抗力が落ちているときに「口腔カンジダ症」として発症し、お口だけでなく全身にも影響を及ぼす症状が現れることがあります。

 

3.残っている自分の歯が虫歯や歯周病になりやすくなる

 

入れ歯と天然歯の境目や金属バネ(クラスプ)に歯垢や食べかすが付着したままになっていると、虫歯や歯周病の原因になります。

 

メンテナンスで歯科に通う頻度は?費用は?

歯科で入れ歯のメンテナンスをしよう

 

入れ歯は完成した後も歯科医院でのメンテナンスが重要です。

どれくらいの頻度で調整が必要なのでしょう。

また、費用はどれくらいかかるのでしょうか。

 

適応具合に合わせて定期的なメンテナンスを

 

新しい入れ歯を入れた後は、違和感を覚えることはよくあります。

完成後、2~5回程度調整のために通院が必要になることも。

その後も金属バネの緩みや?み合わせを調整するため、1年に2~6回程度の定期検診が必要になります。

 

調整にかかる費用はどれくらい?

 

保険適応の部分入れ歯を調整する場合、費用は約300円~1000円程度です。(初診・再診、調整度合等で金額が違います。)

もし金属バネや人工歯の作り変えなどがあると金額が上がります。

保険外の入れ歯の場合、調整料は歯科医院ごとに設定が異なりますので、確認しておきましょう。

 

まとめ

 

歯が抜けてしまったら、「入れ歯を作って終わり」ではありません。

日々のお手入れと、定期的な調整などのメンテナンスが必要になり、費用もその都度かかります。

せっかく作った入れ歯ですから、少しでも長く快適に使用したいもの。

そのためには日々のセルフメインテナンスと歯科医院での定期的なメンテナンスが重要です。

2016.11.02更新

2017.04.24更新

奥歯の入れ歯の費用と押さえておきたい3つのポイント

 

永久歯の奥歯は、仮に抜けてしまっても目立たず、他の歯で噛めるからそのままでもいいような気がしませんか?

しかし、たとえ1本だけでも抜けたままにしておくと大変なことになってしまいます。

起こり得る弊害や、適切な部分入れ歯の選び方などをご紹介します。

 

奥歯の部分入れ歯を選ぶ3つのポイント

入れ歯にはさまざまな種類があります。

それぞれに特性がありますので、歯科医師からの説明をよく理解し、価格や用途に合わせて検討しましょう。

 

1.コスト重視なら保険の部分入れ歯

 保険の部分入れ歯

 

部分入れ歯は、保険適応であれば比較的安価で作れます。

ただし、素材は選べず、薄く仕上げると破損しやすい素材のため、ある程度の厚みがあります。

また隣接する歯に固定するための金属のバネ(クラスプ)が付属するため、お口を開けたときに金属が目立つことも。

コストを抑えたいのであればおすすめですが、違和感や見た目が気になる人にはおすすめできません。

費用相場は8,500円~10,000円くらいです。

 

2.キラっと見える金属が気になるならスマイルデンチャー

 スマイルデンチャー

 

もしも金属が目立つことが気になるのであれば、保険適用外の入れ歯ですが「スマイルデンチャー」がおすすめです。

入れ歯の固定に金属バネ(クラスプ)を使わず、歯ぐきに接する義歯床の部分と同じ素材で把持部を作ります。

柔軟性のあるプラスチックなので床の部分も薄く、違和感も少なく機能性にも優れています。

費用相場は150,000円~400,000円程度です。

 

3.見た目も噛みやすさも補える磁石式入れ歯

 磁石式入れ歯

 

歯ぐきが痩せてしまうと、義歯床がなかなか安定しにくく、金属のバネで固定しても安定しないことも。

そのような場合、残っている歯根に金属を入れ、磁石を入れた入れ歯と磁力で固定するという方法があります。

その場合、入れ歯以外の金属や磁石など、保険適応外の処置が費用としてプラスされます。

 

 

 

奥歯の抜歯後、そのままにしておくと大変なことに……!

 

抜歯後にできてしまった隙間は、放っておくとさまざまな弊害が出始めます。奥のほうは目立たないからと、放置してしまうのは危険です。

一体どんな不具合が出てしまうのでしょうか。

 

1.噛む力が弱くなり、消化器官の負担になる

 消化器官の負担になる

 

奥歯はたとえ1本だけでも無くなると、咬む力が30~40%も低下すると言われています。

そのため食物をしっかり噛めないまま飲み込んでしまい、胃腸などの消化器官にかかる負担が大きくなってしまいます。

 

2.歯が無い箇所に周りの歯が寄ってくる

 周りの歯が寄ってくる

 

歯を失ったままの状態が続くと、隙間を補おうとして周囲の歯が寄ってきてしまいます。

いざ入れ歯を作ろうと思った時にはスペースが不足しているという事態にもなりかねません。

 

3.噛み合う対称の歯がすき間へ伸びてくる

 

歯は、上下で噛みあうことによって保たれています。

抜けたままにしておくと、その真上や真下にある歯が隙間のほうへ伸びてきてしまいます。

もしくは骨ごと変形してしまうこともあるので、抜けた部分の修復はなるべく早く行うようにしましょう。

 

4.顔がゆがみやすくなる

 

歯を失うと噛む力が衰えるため、噛みやすい方で噛む癖がついてしまいます。

顔の周辺にある「咀嚼筋」の発達具合が変わり、噛まない方側はどうしても筋力が衰えてしまうため、顔のバランスに左右差がでてゆがんで見えてしまうのです。

 

5.発音がしにくくなる

 

奥歯がわずか1本無いだけでも、話すときに息が漏れて発音しにくくなります。

また、舌の当たる位置や頬の筋肉の位置がわずかでも変わることで、従来通りに話しているつもりでも、相手が聞き取りにくいということもあるのです。

 

 

奥歯を補う選択肢、ブリッジより入れ歯がオススメな理由とは?

 入れ歯がオススメ

失った歯を補う方法として、部分入れ歯の他にはブリッジがありますよね。しかし、当院では入れ歯をオススメしています。その理由は主に、以下の3点です。

 

1.部分入れ歯なら隣の歯を削らなくてもいい

 

ブリッジにする場合、喪失した歯の両隣の歯にブリッジを固定するため、両隣の歯を一層削ることになります。もしも両側の歯が健康な歯の場合には、本来失う必要のない歯質を失うということになります。

部分入れ歯であれば両側の歯に「クラスプ」という金属のバネで固定しますので、歯を削る必要はありません。

 

2.保険の場合、奥歯のブリッジは銀歯になる

保険の場合奥歯のブリッジは銀歯になる

保険適応のブリッジには決まりごとがいくつかあります。

保険のルールでは、奥歯のブリッジを作製する場合、材質は銀歯を連結させたような修復物と決まっています。

糸切り歯のすぐ横あたりの奥歯に連結するのであれば、大きくお口を開けた際に目立つこともあるでしょう。もしも保険適応で治療することが前提なのであれば、部分入れ歯の固定のためのバネのほうが、歯ぐきの境目あたりだけになるので銀歯ほどは目立ちません。

 

3.一番奥の歯をブリッジで補う場合、自費になることもある

 

ブリッジをおこなう場合、両側に支えとなる歯があることが基本です。

しかし一番奥の歯の場合、片側にしか隣接する歯がありませんよね。 そこで、一番奥の歯が喪失した場合には「延長ブリッジ」という方法が適応されることがあります。

これは、一番奥の歯を支えるために手前の2本の歯を連続で削り、支えとするブリッジです。ただし、片側にしか支えが無いのですから支えとなる歯への負担は大きくかかることが予測されます。

手前側の2本の歯が、ブリッジの支えとして適しているかどうかによっては、延長ブリッジができないこともありますし、銀歯よりも硬質な素材を用いて延長ブリッジにする場合もあります。

ちなみに銀歯以外の素材を用いた奥歯ブリッジの場合、保険適用外の治療となります。

料金は欠損歯が1本の場合、銀歯のもので約1万円ちょっと。保険外となると素材によって差がありますが、1本約5万円~12万円程度かかります。

 

 

部分入れ歯を作製する流れ

部分入れ歯作製の流れ

続いて、部分入れ歯がどういった順序で作られているのかをチェックしましょう。

 

1.歯型を採ります

 

柔らかい素材の「印象剤(いんしょうざい)」というもので、歯が無くなってしまった部分の歯型と、噛みあう歯(対合歯)の周辺の歯型を採ります。

2.噛み合わせを採る

 

通常時に噛んでいる現在の噛み合わせを確認するため、ワックスを熱で柔らかくしたものを噛んで確認をおこないます。

3.人工歯の試適をおこなう

 

個々の歯並びや歯ぐきの位置などと歯の位置を確認するため、人工歯を並べて試適しておきます。

4.歯の模型を製作し、技工士が入れ歯を作製する

 

型取りした印象剤を使って歯を復元した模型を作ります。その模型と噛み合わせを確認したワックスを基に、部分入れ歯を模型上で作製します。

5.支えにする歯を少し調整する

 

部分入れ歯をクラスプという金属のバネで固定するために、隣の歯と歯ぐきの境目あたりを少し削ってバネが違和感なく掛かるように調整します。 削るといっても、歯の神経が通っていない、表層のエナメル質という部分をごく薄く数ミリですので、特に支障をきたすことはありません。

6.部分入れ歯の装着

 

模型上で入れ歯が出来上がったら、患者の口腔内へ実際試適し、適合具合を確認しながら調整を加えていきます。当たって痛いところは無いか、痛くなくても噛み込んだ時に接触している部分(高い部分)はないか、緩すぎたりきつすぎたりしていないかなど、本人にも確認します。

7.丁寧な調整

 

もしも不具合がある場合は、削ったり盛り足したりして歯科医院で調整します。
もちろん今までお口に無かったものが入るのですから、違和感が全くないという人はいませんが、痛みなど強い刺激でなければひとまず使用してもらい、早めの再来院日程を決めておいて、生活の中で不具合が起こってきた場合はそこで調整を繰り返します。

8.使用方法の説明

 

はじめて入れ歯を作った人であれば、取り扱いの方法や注意点、清掃の仕方などの指導が入ります。

 

部分入れ歯の歯科医院選びで大切なポイント

歯科医院選びのポイント

最後に、奥歯の部分入れ歯について、どんな基準で歯科医院を選べば良いのか、ポイントを洗い出してみましょう。

 

1.入れ歯の症例が豊富かどうか

 

歯科医院は、さまざまな専門分野に特化して診療していることがあります。ですからどの歯科医院でも入れ歯が得意という訳では無いのです。
部分入れ歯を作るのには高度な技術を必要とします。ですから技工士とはいえ普段から入れ歯作りに慣れている人と、あまり作る機会のない人であれば、当然ですが仕上がりに差が出てしまいます。
歯科医院を選ぶ際には、普段から入れ歯を専門にしている歯科医院や、入れ歯の患者が多い歯科医院を選ぶなどするとよいでしょう。

 

2.費用やメリット・デメリットなど、しっかり説明してくれるかどうか

 

どの歯科医院で入れ歯を作るか、決定するポイントとして、入れ歯の特徴や費用についてしっかり教えてくれるかどうかという点が挙げられるでしょう。
金額の目安や、保険内の入れ歯があるのか。また自費であればどんな素材を扱っていて、費用はどのぐらいなのか、保証期間はどうなっているのかなど、事前に知っておくことが大切です。
そこで頼りになるのが、歯科医院のホームページ。その歯科医院で取り扱っている入れ歯の特徴や、金額、保証サービスの有無を事前に確認しましょう。ホームページで診療内容を詳しく紹介している歯科医院なら、安心して通院できます。

 

3.通院できる範囲であるかどうか

 

入れ歯の作製は初診で診てもらった日にすぐできるというようなものではありません。入れ歯を作るまでにも何度か通院が必要になりますし、入れた後も定着度を確認するためにしばらく通院が必要になります。
ですから、選択する歯科医院は技術力も重要ですが、自身が無理なく通院できる歯科医院でなければ継続して管理してもらうことが困難になってしまいます。

 

4.多くの種類の部分入れ歯を取り扱っているか

 

歯科医院にも特性があり、得意分野があることは前述しました。
部分入れ歯にも保険内のものや自費のものがありますし、自費といってもいろいろな種類があります。どこの歯科医院でもすべての部分入れ歯を取り扱っているというわけではありません。

カウンセリングを受ける途中で、「やっぱり目立たなさを重視して自費の入れ歯にしたいな」と思うこともあるでしょう。そんなとき、もし保険の入れ歯しか取り扱っていないような歯科だったら、転院して、再度診察やカウンセリングを受けるような手間が発生してしまいます。

入れ歯の症例数が多いだけでなく、取り扱っている入れ歯の種類も多い歯科を選んでおくと安心です。

 

 

まとめ

 

奥歯は抜けても目立ちませんが、修復をしないままでいるとさまざまな弊害が起こります。

それによって他の歯や全身にも影響が及ぶことがあるので、なるべく早く修復しましょう。

また、保険適応か否かによって入れ歯は金額に大きな差があります。

保険適応外の入れ歯は自費になるため、保険適用のものより高額です。

ただし見た目や使用感にも差がありますので、これから長く付き合っていくことを考えてよく検討されることをおすすめします。

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