10代・20代で歯を失ってしまったとき、入れ歯を選ぶべき3つの理由
2016.08.31更新
若くして歯を急に失うことになってしまったら……。
「食事はどうしよう」「人前で笑うことができない」などと不安な気持ちでいっぱいですよね。
恥ずかしさや日々の忙しさから、歯が抜けたのに放置してしまったらなおさら危険!体調を崩すきっかけになることもあります。
とはいえ、入れ歯って10代や20代にとってはとっつきにくくて、不安がありますよね。インプラントは高そうだし、ブリッジは歯を削らなきゃいけないし、どうすればいいのか迷ってしまう――
そんな方へ、ぜひ入れ歯を選ぶべきだと言える3つの理由をご紹介し、さらによくある入れ歯への疑問を解決したいと思います。
なぜ、10代や20代で歯を失ってしまうのか……
まだまだ人生序盤である10代や20代でも、歯を失ってしまうケースは珍しくありません。まずはその理由を数パターン見ていきましょう。
神経に到達するほど重症化した虫歯を放置した
虫歯が深くなり、歯の神経まで到達するほど深くなった場合、神経が壊死してしまうことがあります。それをさらに放置していると根っこの先に膿が溜まり、徐々に周囲の骨を溶かしてしまいます。
そこで、根っこの治療をしても膿が治らない場合は、骨髄炎などに波及する恐れもあるため抜歯せざるを得ません。
また、歯が根っこだけになるまで放置した場合、虫歯菌が歯茎や歯を支えている骨(歯槽骨)に感染してしまうことがあります。そのようなリスクが出てくるほどに重症化している場合は、抜歯が必要となります。
歯磨きの習慣が無く、重度の歯周病になってしまった
毎日歯磨きをする習慣が無い人の歯には、「歯垢」(細菌の塊)が蓄積したままの状態が続きます。
歯と歯茎の境目から歯垢による刺激を受け、歯茎が炎症を起こしたものが「歯肉炎」です。歯肉炎は初期症状があまり目立たないため、気づかないうちに進行します。
そして歯周病が重症化すると、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶け、歯が揺れ始めます。
放っておくと骨の破壊が広がり、問題ない歯を支える部分まで被害が広がる恐れもあるため抜歯が必要となるのです。
歯ぎしりが原因で歯が破損してしまった
夜寝ている間や考え事をしている時などに、無意識に歯ぎしりをするクセのある人がいます。
歯ぎしりによって歯には大きな力が加わる為、歯がすり減ってしまったり、時には歯が割れてしまったりすることもあるのです。
刺激によって歯の根っこ部分にまで亀裂が入ったり破折したりしてしまうと、隙間から細菌が侵入してしまうことがあります。
放置していると歯茎が感染症を引き起こし、骨髄炎などの原因となってしまうため、温存することが不可能と判断された場合には抜歯をすることになります。
転倒して地面にぶつけてしまった
転倒して、前歯を地面にぶつけてしまうというような事故は、年齢が若い人ほどよく起こり得ます。
その際、歯そのものに損傷が無い脱臼や、抜けてしまうなどのアクシデントは、再度歯が生えていた部分に埋入させて固定することで再生する場合もあります。
しかし運悪く歯の根っこまで破損してしまったような場合には温存が難しいと判断され、抜歯となるケースもあります。
歯が抜けた箇所をそのままにするのはとっても危険です!
「抜けてしまった場所が目立たない場所だから」、「見た目は気にならないから」などと抜けたままにしていると危険です!
さまざまな悪影響が及ぶ可能性があるので、早めに歯科医院の受診が必要です。
噛み合わせが悪くなり、全身に悪影響がある
歯の無い部分があると、両側の歯は無い方へと倒れるように移動します。そこで歯並び全体が崩れ、噛み合わせのバランスも変化してしまいます。
噛み合わせが悪くなると、肩こりや頭痛などをはじめとするさまざまな全身への悪影響を起こす原因となりかねません。
残っている歯の寿命を縮めてしまう
歯の抜けた部分があることによって、噛む力(咬合圧)の分散が上手くできずに一部分に偏って力がかかってしまうことがあります。
また、抜けた歯と対合していた歯は、噛みあう歯を失ってしまうことで、だんだん歯茎の外へと伸びてきてしまいます。
このようなことが続くと、残っていた歯に無駄な負荷がかかるためすり減ってしまったり、歯の根っこが吸収されて歯が抜け落ちてしまったりすることがあります。
本来ならば失うことの無かったはずの歯の寿命を縮めてしまうことになりかねないのです。
10代・20代が入れ歯を選ぶべき理由はこの3つ!
1. 費用の負担が少ない
一部、材料によっては保険適用外もありますが、基本的な入れ歯は保険適用となります。
インプラントに比べて比較的安価ですので、金銭面の負担も軽くて、すぐに失った部分の修復ができます。
入れ歯の材質を選ぶ際には歯科医師より提案がありますので、その時に相談しながら自分に合ったものを見つけましょう。
2. 手術が要らないのでリスクが少ない
インプラントの場合、お口の中に人工的な歯根を埋め込む「手術」が必ず必要ですし、術後の予後不良から「インプラント周囲炎」などのリスクもあります。
その点、入れ歯はお口の中の手術はありませんし、それに伴うリスクもないので安心です。
3. 健康な歯を削る必要が無い
インプラント・入れ歯以外の方法のひとつに「ブリッジ」があります。
欠損した歯の両隣の歯と連結して人工歯を作る方法なのですが、この場合両側の歯が健在で、かつその歯を削って連結した装置を付けることになります。
部分入れ歯なら、隣の歯の根元に金具で固定する方法で装着するので、健康な歯質を削る必要はありません。
そもそも10代の方はインプラントができません
親知らずを除く、最後臼歯である第二大臼歯が生え揃い、歯根が完成するのは16歳前後ですが、顎の骨の成長は20歳くらいまで続くことがあるとされています。
顎の骨の成長がおこなわれている時期にインプラントを埋入してしまうと、顎は大きくなってもインプラントの位置は変わらないため、歯のズレが生じてしまうことになります。
顎の骨の成長完了時期に関しては個人差があるため、歯科医師への相談が必要となりますが、基本的に10代でのインプラント治療は出来ない場合が多いでしょう。
どうしてもインプラントで修復したい場合であっても、施術可能な時期が来るまでは、ブリッジや入れ歯での修復を選択することになります。
それでも不安な初めての入れ歯……3つの疑問を解決!
1. 顔が変わってしまうのでは?
「入れ歯にすると顔が変わる」という話を耳にしますが本当でしょうか?
入れ歯の大きさや形が自分の歯と比べて微妙に異なると、外から見た時に印象が違って見えることがあります。
また、入れ歯にした部分の筋肉が衰えてしまい、顔の左右バランスが変わってしまうことで、そう感じるのかも知れません。
しかし最近では技術の進歩でさまざまな入れ歯が開発されています。保険適用の入れ歯はどうしても厚みがあり、歯の材質も豊富ではありません。
顔が変わって見えるのではと不安な方は、製作段階での形や材質などの説明をしっかり理解し、自費の入れ歯も視野に入れて選択するようにしましょう。
2. 取り外しが面倒なのでは?
入れ歯は取り外しが面倒なイメージがあると思います。
しかし、簡単に取れやすい入れ歯だと食事や会話中に外れてしまうこともあるかもしれません。
外れにくいということはそれだけしっかり密着してお口に合っているともいえますね。
装着してすぐは違和感があるとおもいますがすぐに慣れます。また、着脱法もコツがあり、ポイントを抑えれば外すのはそこまで困難ではありません。
3. 金具が外から見えてしまうのでは?
入れ歯は金具等が目立つイメージですが、最近は入れ歯製作の技術も進化し、さまざまなタイプが登場しています。
なかでも注目の入れ歯は「スマイルデンチャー」。今まで部分入れ歯で目立つとされていた金属のクラスプ部分を、歯ぐきの部分と同じ色や材質で作成。
これで「笑った時にお口からキラリ!」のような悩みから解消されます。
初めての入れ歯作りは症例豊富な専門医へ!
失った歯の部分を再生するために、今あるお口の中をそのままに保ちながら修復できるのが「入れ歯」です。
「入れ歯=老人」のイメージがあるかもしれませんが、最近では技術の進歩に伴い、目立たず装着も簡単で、密着性に富んだ入れ歯が開発されています。
とはいえ、最新技術はやはり専門医でなければ取り入れていない場合も。初めて入れ歯を作ることになりそうな場合は、症例経験豊富な入れ歯専門医へ相談しましょう!