2016.11.07更新

2017.04.18更新

口内の変化に要注意

 

入れ歯を使い始めて、口の中に口内炎ができやすくなったと感じる方はいませんか?

もしかしたら口内炎は入れ歯トラブルの前兆かもしれません!

口腔内の健康を保ち、せっかく作った入れ歯を使い続けるためにも、入れ歯を使い始めたら口腔内の状態チェックの習慣をつけていきたいものです。

 

入れ歯にまつわる口内炎の対処法とは

口内炎

 

入れ歯を使い始めてから口内炎ができたという場合、さまざまな要因が考えられます。

入れ歯に関連して発症する口内炎をご紹介します。

 

義歯性口内炎

 

義歯性口内炎とは、入れ歯の下に蓄積された汚れに細菌が増殖し、炎症を引き起こすものです。

この汚れ「デンチャープラーク」には、カンジダ菌が多数含まれており、発赤や出血の原因となります。

カンジダ菌は刺激に対する抵抗力を失わせ、口内炎を悪化させたり出血を引き起こしたりすることもあります。

入れ歯洗浄のイラスト

 

口内炎を早く治すためには、原因となっている義歯を清潔に保つことから始めましょう。

毎食後丁寧に清掃し、入れ歯洗浄剤で除菌をするのも効果的。

洗口剤を併用するのもおすすめです。

 

金属アレルギーが原因の口内炎

 

金属アレルギーが原因で口内炎ができることもあります。

金属から溶け出したイオンが体内のたんぱく質と結合してアレルゲンを作り出してしまうことがあるのです。

口内炎の他にも、舌炎や口角炎・口腔扁平苔癬などが発生したり、皮膚炎や掌蹠嚢胞症・アトピー様の皮膚炎・接触皮膚炎を発症したり、全身の症状につながることも。

 

金属アレルギーが心配な方は義歯製作前に歯科医師に知らせておきましょう。

金属を使わない入れ歯を選択する方法もあります。

また、古い金属からはイオンが溶け出しやすくなりますので、古い詰め物を取り替えるなどの対処をおこなうことをお勧めします。

 

粘膜が傷つくことによる潰瘍性口内炎

 

入れ歯が合わないことによって、不適合部分が粘膜を傷つけてしまい、それが引き金になってできる潰瘍性の口内炎があります。

通常の口内炎であれば1週間から10日で治ることが多いのですが、入れ歯が当たることが原因の場合、入れ歯の調整がされないまま使用を続けていると同じ場所を何度も傷つけてしまい、繰り返す可能性が高いのです。

潰瘍性の口内炎は、潰れて出血を伴ったり、水ぶくれができたりする場合もあります。

また、ひどい場合には発熱を伴うこともありますので、治りにくい場合には早めに歯科医院を受診するようにしましょう。

 

入れ歯以外の原因による口内炎の対処法もチェック

 

入れ歯以外の原因によって口内炎を発症してしまった場合でも注意が必要です。

快適な入れ歯の使用を妨げないようにするためにも、口内炎ができてしまったら適切に対処したいものですね。

 

唾液の減少による口内炎

 

お口の中の粘膜は、唾液によって満たされることにより、常に保護されています。つまり、唾液が少ない口腔内は、クッションの役割を失ったような状態です。食べ物や入れ歯などで粘膜に傷がつきやすく、口内炎ができやすい環境になってしまうのです。

唾液の分泌を促すためには「よく噛む」ということが大切です。お口を動かすことで唾液の分泌を促すことができます。ガムを噛んだりするのもよいでしょう。

他にも梅干しやレモンなど酸味のあるものを食べるのも唾液の分泌を促してくれます。

また、唾液腺のある耳の下や顎の下あたりの頬を押してマッサージをすることや、こまめな水分補給を心掛けることなども効果的です。

 

免疫力の低下による口内炎

 

お口の中にはもともと常在している菌が300種類くらい存在するとされています。さまざまな菌があり、すべてが悪い菌というわけではありません。

健康な状態であれば善玉菌がバランスを保ってくれ、細菌やウイルスが侵入してきても問題ないのですが、病気や疲れ・ストレスなどで身体が弱って免疫力が低下していると、悪玉菌が優勢となって口内炎を発症しやすい環境になってしまうことがあります。

日頃から身体の免疫力を高めるように努めましょう。また、疲れやストレスを感じたらリフレッシュしたり休息を取ったりするなどして、なるべく疲れをため込まないようにしましょう。

 

栄養の偏り・ビタミン不足による口内炎

 

偏食によって栄養が偏ってしまうと、ビタミン不足などの栄養障害が起こることがあります。

口内炎の予防や回復力を高める栄養素として、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンAなどが挙げられ、特にビタミンB群の中のビタミンB2は粘膜の保護作用があるとされていますので、不足すると口内炎ができやすい状態になっているといえます。

ただし必要なビタミンだけを摂っていれば良いというわけではありません。さまざまな栄養をバランスよく摂取することが大切です。

日頃からバランスのよい食事を心がけ、不足しがちな栄養素はサプリメントを摂るなどの工夫を取り入れてもよいでしょう。

 

入れ歯を外してチェックするべき3つのポイント

入れ歯を外したら口内をチェック

 

「もしかしたら入れ歯が原因?」と思わしい口内炎ができてしまったら、まずは入れ歯を外してチェックしてみましょう。

 

入れ歯があたって赤くなっていないか

 

入れ歯が合わなくなり、粘膜に接触する刺激で口内炎ができることがあります。

この場合、原因となる入れ歯の調整が必要です。

 

部分入れ歯を支えている歯に異常は無いか

 

部分入れ歯は、隣接する歯に支えの金属バネをかけます。

長く使っているとバネが合わなくなり、そのままにしていると噛む力が過度に加わってしまいます。

もしその歯に歯周病があると、強い力が加わることで骨が溶けやすくなり、歯周病が悪化してしまうこともあります。

また、金属バネに汚れが溜まりやすくもなるため、歯周病菌と相まって、口内炎を悪化させることにもつながってしまいます。

 

口臭はしないか

状態の悪い部分入れ歯のイラスト

 

入れ歯が清潔に保たれていないと細菌が繁殖し、口内炎になりやすくなります。

このデンチャープラークは時間がたてばたつほど腐敗し悪臭を放ちます。

口腔内が不潔だと、口内炎もできやすく悪化もしやすくなります。

口臭が気になる場合は入れ歯の清掃状態をチェックしましょう。

 

歯が一本も無くても、歯肉のブラッシングをしましょう

歯ブラシを持った女性の写真

 

もしもすべての歯を失っている場合、「歯がないなら歯磨きは必要ない」と思ってしまいませんか?

実は歯が無くても歯磨きは必須なのです。

 

歯茎ケアの重要性

 

歯茎は適度な刺激が届かないと退縮し、入れ歯が合わなくなる原因にもなります。

そこで、歯が1本も無くなり総入れ歯であったとしても、入れ歯の下の歯ぐきを歯ブラシで刺激してあげることが大切です。

 

歯茎の磨き方

 

毛先がやわらかい歯ブラシで、歯茎の上部だけでなく頬っぺた側や舌側など、歯ブラシを細かく動かして様々な部分を刺激しましょう。

このとき、強く大きく動かすと粘膜を傷つけてしまうので注意が必要です。

粘膜用のブラシもあるので、それを利用するのもよいでしょう。

 

仕上げに洗口液でうがいを

 

歯が無くても、お口の中にはさまざまな細菌が常在しています。入れ歯を入れることで細菌が繁殖することがありますので、歯茎ケアの補助的なケアとして、殺菌成分の配合された洗口液でうがいをするのも効果的です。

 

治らなかったら必ず歯科医院へ!

 

通常、口内炎は1週間から10日ほどで自然に治ります。ただし、入れ歯が合わずに常時粘膜に当たっている部分や、免疫力低下などといったさまざまな要因が重なることで、治りが悪く長引いてしまうこともあるでしょう。

原因を解消したのにも関わらず、なかなか口内炎が治らないといった場合に、「口内炎だと思っていたら実は口腔がんだった」というケースもあります。

あまりにも長引く口内炎は、必ず歯科で診察を受けるようにしましょう。

 

まとめ

ブラッシングをする男性の写真

 

入れ歯は、お口の中に「人工の装置」を入れるわけですから、さまざまな不具合から口内炎に繋がることはありがちです。

入れ歯と上手に付き合っていくために、もしも口内炎ができてしまったら、入れ歯によるトラブルのサインかも知れないことを心に留めておいてください。

そして口内炎に発展しなくても良いようにお口を清潔に保つことを心掛けましょう。

 

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