入れ歯を使い始めて、口の中に口内炎ができやすくなったと感じる方はいませんか?
もしかしたら口内炎は入れ歯トラブルの前兆かもしれません!
口腔内の健康を保ち、せっかく作った入れ歯を使い続けるためにも、入れ歯を使い始めたら口腔内の状態チェックの習慣をつけていきたいものです。
入れ歯にまつわる口内炎の対処法とは
入れ歯を使い始めてから口内炎ができたという場合、さまざまな要因が考えられます。
入れ歯に関連して発症する口内炎をご紹介します。
義歯性口内炎
義歯性口内炎とは、入れ歯の下に蓄積された汚れに細菌が増殖し、炎症を引き起こすものです。
この汚れ「デンチャープラーク」には、カンジダ菌が多数含まれており、発赤や出血の原因となります。
カンジダ菌は刺激に対する抵抗力を失わせ、口内炎を悪化させたり出血を引き起こしたりすることもあります。
口内炎を早く治すためには、原因となっている義歯を清潔に保つことから始めましょう。
毎食後丁寧に清掃し、週に1度は入れ歯洗浄剤で除菌をするのも効果的。
洗口剤を併用するのもおすすめです。
金属アレルギーが原因の口内炎
金属アレルギーが原因で口内炎ができることもあります。
金属から溶け出したイオンが体内のたんぱく質と結合してアレルゲンを作り出してしまうことがあるのです。
口内炎の他にも、舌炎や口角炎・口腔扁平苔癬などが発生したり、皮膚炎や掌蹠嚢胞症・アトピー様の皮膚炎・接触皮膚炎を発症したり、全身の症状につながることも。
金属アレルギーが心配な方は義歯製作前に歯科医師に知らせておきましょう。
金属を使わない入れ歯を選択する方法もあります。
また、古い金属からはイオンが溶け出しやすくなりますので、古い詰め物を取り替えるなどの対処をおこなうことをお勧めします。
入れ歯を外してチェックするべき3つのポイント
「もしかしたら入れ歯が原因?」と思わしい口内炎ができてしまったら、まずは入れ歯を外してチェックしてみましょう。
入れ歯があたって赤くなっていないか
入れ歯が合わなくなり、粘膜に接触する刺激で口内炎ができることがあります。
この場合、原因となる入れ歯の調整が必要です。
部分入れ歯を支えている歯に異常は無いか
部分入れ歯は、隣接する歯に支えの金属バネをかけます。
長く使っているとバネが合わなくなり、そのままにしていると噛む力が過度に加わってしまいます。
もしその歯に歯周病があると、強い力が加わることで骨が溶けやすくなり、歯周病が悪化してしまうこともあります。
また、金属バネに汚れが溜まりやすくもなるため、歯周病菌と相まって、口内炎を悪化させることにもつながってしまいます。
口臭はしないか
入れ歯が清潔に保たれていないと細菌が繁殖し、口内炎になりやすくなります。
このデンチャープラークは時間がたてばたつほど腐敗し悪臭を放ちます。
口腔内が不潔だと、口内炎もできやすく悪化もしやすくなります。
口臭が気になる場合は入れ歯の清掃状態をチェックしましょう。
歯が一本も無くても、歯肉のブラッシングをしましょう
もしもすべての歯を失っている場合、「歯がないなら歯磨きは必要ない」と思ってしまいませんか?
実は歯が無くても歯磨きは必須なのです。
歯茎ケアの重要性
歯茎は適度な刺激が届かないと退縮し、入れ歯が合わなくなる原因にもなります。
そこで、歯が1本も無くなり総入れ歯であったとしても、入れ歯の下の歯ぐきを歯ブラシで刺激してあげることが大切です。
歯茎の磨き方
毛先がやわらかい歯ブラシで、歯茎の上部だけでなく頬っぺた側や舌側など、歯ブラシを細かく動かして様々な部分を刺激しましょう。
このとき、強く大きく動かすと粘膜を傷つけてしまうので注意が必要です。
粘膜用のブラシもあるので、それを利用するのもよいでしょう。
まとめ
入れ歯は、お口の中に「人口の装置」を入れるわけですから、さまざまな不具合から口内炎に繋がることはありがちです。
入れ歯と上手に付き合っていくために、もしも口内炎ができてしまったら、入れ歯によるトラブルのサインかも知れないことを心に留めておいてください。
そして口内炎に発展しなくても良いようにお口を清潔に保つことを心掛けましょう。