人気のスマイルデンチャーと保険適用部分入れ歯の4つの違い

 

 「スマイルデンチャー」という部分入れ歯をご存知ですか?

従来の部分入れ歯の金属バネ(クラスプ)が目立って気になるという人も、これならクラスプが目立つようなことはありませんので、おすすめできる入れ歯です。

そんな画期的な「スマイルデンチャー」とはどのような入れ歯なのでしょうか。

失った歯の修復に入れ歯をお考えの方は、ぜひ参考にされてください。

 

金属が無くて目立たない入れ歯 スマイルデンチャーとは

 

従来のクラスプを使った部分入れ歯は、隣の歯に固定するための金属部分がどうしても見えて目立ってしまいます。

 

しかしスマイルデンチャーであれば、歯ぐきに近い透明感のある色の素材を使用したフックで固定します。

従来のように金属が目立つというようなことはなく、審美面に優れた入れ歯なのです。

 

スマイルデンチャーはココが違う!4つのメリット

 

1. 入れ歯をしていると気づかれにくい

 

スマイルデンチャーの歯ぐき部分は従来の入れ歯の義歯床よりも透明感があり、厚みも少なく、より歯茎に近く感じられます。

そのため入れ歯をしていると気づかれにくく、審美面の回復力が高い入れ歯だといえるでしょう。

 

2. 歯茎にフィットして違和感が少ない

 

従来の入れ歯は、金属バネと歯の隙間に汚れや食べカスが溜まりやすかったりすることから、お口のトラブルの原因になることもありました。

 

スマイルデンチャーは、外側だけでなく内側にある固定金具もないため、歯茎へのフィット感や舌触りも良く違和感が少ないとされています。

 

3. 薄いので発音や食事がしやすい

 

従来の入れ歯よりも義歯床(入れ歯の歯茎部分)の厚みが薄く仕上がるのが特徴です。

そのため発音にも障害が少なく会話もスムーズに行えます。

 

また、食事の際にも違和感が少ないとされています。

入れ歯は美味しく食事できないと言われますが、そのデメリットを大きく改善することができる入れ歯なのです。

 

4. 金属アレルギーの心配が無い

 

金属バネでの固定が必要な部分入れ歯などは、これまで金属アレルギーの方は使用することが困難でした。

 

スマイルデンチャーであれば材質に一切金属が使用されていませんので、金属アレルギーをお持ちの方でも安心して装着することができます。

 

スマイルデンチャーの使用で気をつけること

 

従来の金属バネ固定式入れ歯に比べ、メリットが満載のように見える「スマイルデンチャー」ですが、使用するにあたり気を付けておくべきことは何かあるでしょうか?

 

1.定期的な作り直しが必要

 

従来の入れ歯であれば歯茎の退縮などで緩んでしまった場合、既存のものに義歯床を追加してフィットするように調整が可能です。

 

しかし、スマイルデンチャーは歯を支える部分が柔軟性のあるプラスチック製であるため、ある程度は調整や修理をすることができますが、大きな修理はできません。

そのため定期的にお口に適合しているか確認し、作り直しが必要になることがあります。

 

2.保険が使えない

 

スマイルデンチャーは保険診療で製作することができません。

保険外診療となるため、金額は歯科医院の設定によって差があります。

受診の際には、その医院での治療法や費用の内訳などをしっかり納得した上で行うようにしましょう。

 

3.使用できない場合もある

 

スマイルデンチャーは、審美面や装着感という観点からは非常に優れた装置です。

しかし残存歯が少ない場合や、歯が残存している状態が悪いなど、状態によっては使用できない場合もあります。

 

スマイルデンチャー作成の流れ

 

では、実際にスマイルデンチャーを作る手順をご紹介します。歯科医院や、あなたのお口の状態によって異なる場合もあるので、詳しくはお近くの入れ歯専門医に聞いてみましょう。

 

1.スマイルデンチャー作成の前に事前のチェックが必要

 

残った歯が、スマイルデンチャーのクラスプを引っ掛ける上で問題が無いかどうか、事前に調べて、必要であれば治療を施します。

スマイルデンチャーは、義歯床の一部分を加工して、補う部分の横の歯に直接引っ掛かる部分を作ります。その際クラスプの掛かる歯の状態が悪く、揺らいでいたり、虫歯があったりなどの問題があると、装置を健康に保持することができません。

 

2.現在の歯型と噛み合わせを取り、歯並びの確認をしておきます。

 

スマイルデンチャーを技工士が製作するため、患者の上下の歯並びと噛み合わせをチェックします。

そして、スマイルデンチャーに使用する人工歯の歯の色の確認などもこのときに行います。

 

3.お口の中で試適したうえで、お口に合うように調整をおこないます。

 

スマイルデンチャーは初回来院日の当日には仕上がりません。

次回来院の予約を取ってもらい、完成時にまずお口の中で試適します。

痛む部分が無いか、噛んでみて高く感じるところは無いかなどを確認しながら調整していきます。

 

4.しばらく使用してもらい、使用感などを確認・調整をおこないます。

 

実際に食事をしたり会話をしたりと、生活の中で使用していて初めて気がつく痛みなどもあるため、1週間ほど使用したのち、再び使用感を確認し、必要であれば調整を入れます。

 

スマイルデンチャーについてもっと知りたい!Q&A集

 

続いて、もっとスマイルデンチャーについて理解を深めたい方へ向けたQ&A集をお送りします。

 

Q1.他の入れ歯よりも修復が難しいって本当?

 

スマイルデンチャーに使われている素材は、床の部分に素材を追加したり、新たに歯を追加したりすることができません。ですから大幅な調整はできないのです。

支えにしている部分の歯が抜けてしまったりすると、作り変えが必要になってしまいます。

お口の中がなるべく変化しないことが一番ですので、定期検診で虫歯や歯周病になっていないかなど、お口の管理を受けるようにしましょう。

 

Q2.普通の入れ歯のように、ブラシで磨いても大丈夫?

 

スマイルデンチャーの清掃は、毛先の柔らかいブラシで磨くようにしてください。

できれば毎食後、軽く水洗いすることで汚れを防ぐことができます。

ブラシで強くこすらなければならないほど汚れないように気を付けることで、長く綺麗に使用することができますので、水洗いをこまめに行うようにしましょう。

 

Q3.普通の入れ歯用の入れ歯安定剤は使える?

 

スマイルデンチャーの素材は、市販されている塩素系の入れ歯洗浄剤では成分が強すぎて、変質したり変色したりと破損の原因になる可能性もあります。自己判断での使用は絶対にやめてください。

清潔に保つために入れ歯洗浄剤は必要ですので、使用の際にはスマイルデンチャー専用の洗浄剤を使用するようにしましょう。

 

Q4.スマイルデンチャーの素材は柔らかそうだけど、シリコンとは違うの?

 

スマイルデンチャーはナイロン樹脂系の「スーパーポリアミド」という素材から作られています。

シリコン義歯と類似しているため、混同されてしまいがちですが、このスマイルデンチャーに使用されている素材は、アメリカ食品医薬局(FDA)に承認された安全な素材で、スマイルデンチャーオリジナルの素材です。

 

Q5.どこの歯科医院でも製作する事ができますか?

スマイルデンチャーは、保険適応外の装置です。その場合、保険でできる入れ歯と違って、どの歯科医院も取り扱っているというわけではありません。

また、類似製品もありますので、スマイルデンチャーをご希望の場合には、お近くで取り扱いのある歯科医院を事前確認されることをおすすめします。

 

まとめ

 

スマイルデンチャーは、保険適応の入れ歯を使っていて違和感があった人や、これから製作しようか迷っている人にとって、機能的にも審美的にも画期的な入れ歯だと言えるのではないでしょうか。

ただし保険適応外の治療になります。まずは自分がスマイルデンチャーが使えるお口の状態なのかどうか、かかりつけ医に相談しましょう。