はじめて入れ歯を使うという方の多くは、様々な疑問や不安を抱きながら生活しています。快適な日々をお過ごしになる為には、それらの問題を少しずつ解決していかなくてはなりません。そこで今回は、外出や睡眠時などに多い、入れ歯についての疑問や不安の解決方法をまとめてみました。是非参考にして頂ければと思います。
「こんな時、どうするべき?」よくある入れ歯の悩み4選
入れ歯の扱い方や見た目、違和感に悩むことは決して珍しいことではなく、誰しも初めは不安でいっぱいなものです。
入れ歯に対する悩みには、どのようなものがあるのでしょうか?特に多い悩みを以下にまとめました。
1.1 入れ歯をしたまま、プールや海水浴はできるの?
入れ歯をしたままでもプールや海水浴は可能です。しかし、泳いでいる最中に入れ歯を落としてしまうというトラブルがあり、特に海では、そのまま入れ歯が流されてしまう危険性があります。
プールや海水浴へ出かける際には、事前に入れ歯の緩みなどを改善しておく事をオススメ致します。
1.2 旅行に行くときはどんなものを持っていくべき?
旅行に行く際に持参すべき物として、入れ歯洗浄剤と入れ歯を洗うブラシの他に、入れ歯安定剤も用意しておきましょう。
旅行であっても、入れ歯のお手入れは普段通り行う必要があります。
また、いつもは入れ歯安定剤を使用していない方であっても、旅行中の入れ歯による痛みが起こった場合、安定剤を使用する事で、歯茎と入れ歯の間のクッション代わりとなるので大変便利です。
1.3 入れ歯をしていることを友人に気づかれたくないなら
同じ入れ歯であっても、種類によって見た目にだいぶ差がうまれます。一般的なバネのある入れ歯では、場所によっては外から見て気付かれやすいのですが、現在ではバネ無しの入れ歯も存在します。
歯の欠損の多さや、残っている歯の状態によっては、作成できるかどうかが異なりますので、一度ご相談下さい。
1.4 寝るときに入れ歯はつけたままでもいいの?
総入れ歯とよばれる全体的な入れ歯であれば、睡眠時の装着は良いとされています。
しかし、人工歯の少ない部分入れ歯の場合、バネのかかる歯への負担や衛生面での問題、そして飲み込む危険性がある事から、睡眠時には外すようにと伝える歯科医院が多いです。
初めての入れ歯生活、日々のお手入れを学ぼう!
入れ歯は人工的なものであるため、虫歯などの心配が無くなったと勘違いする方がおられます。
しかし、自分の歯だった時と同様に、日々のお手入れが大切です。お手入れを怠るとお口や全身に悪影響を及ぼすことにもなりかねません。
そこで、初めて入れ歯生活を始められる方にもわかりやすい、日々の「入れ歯のお手入れ」についてご紹介します。
2.1 日々のお手入れの基本とは?
毎食後に歯みがきをするように、入れ歯も外して清掃することが理想です。
残っている歯がある場合は、歯磨きも入れ歯のお掃除も、両方おこなうようにしましょう。
歯科医師から就寝時に入れ歯を外しておくよう指導されている場合は、専用の容器に保管します。その際、洗浄剤や水に浸して乾燥を防ぐようにしておくようにしましょう。
2.2 入れ歯を清掃する際の手順
食後はまず入れ歯を外して、入れ歯を流水で流しながら食べかすなどの汚れを洗い流しましょう。
次に、柔らかめの歯ブラシで入れ歯を磨きます。
そのあと再度流水で流してお口に戻すか、専用の容器に保管します。
部分入れ歯の場合の清掃
部分入れ歯にはクラスプという固定用のバネが付いていることがほとんどです。
このバネの部分には汚れが溜まりやすいので、しっかり磨いておきましょう。
また、クラスプがかかる歯のほうも、虫歯や歯周病になりやすいのでしっかり歯磨きするようにしてください。
総入れ歯の場合の清掃
1本も歯が無く、総入れ歯にしている場合、入れ歯だけを清掃する方もいます。しかし、入れ歯と歯茎が接している「義歯床」という部分は食べかすが残りやすい部分ですので、歯茎側にも汚れが残りやすくなります。
お口のうがいや歯肉のブラッシングも忘れないようにしましょう。
2.3 入れ歯のお手入れで注意すること
入れ歯はとても精密に作られていますし、安いものではありません。お手入れの際にも気を配ることで、長く大切に使うことができますよ。
破損に注意して取り扱いましょう
入れ歯はプラスチックが主な素材として使用されていることが多く、落としたり強くこすったりすると割れてしまったり欠けてしまうことがあります。
入れ歯を磨く際には、水を張ったボウルや洗面器などを下に置いてお手入れすると、落下時の破損予防にもなります。
洗浄水の温度に注意しましょう
入れ歯の素材は高温で変形してしまう性質があります。
熱いお湯を使ったほうが汚れを落としやすいのではと思われがちですが、変形を防ぐためにも、水またはぬるま湯程度にしておきましょう。
歯みがき粉は使用しない
入れ歯は全体が人工物でできています。そこで、天然歯をみがく時と同様に歯みがき粉を使用して入れ歯を磨いてしまうと、歯みがき粉に含まれる「研磨剤」で入れ歯の表面を傷つけてしまう恐れがあります。
細かな傷は、そこに汚れが溜まってしまって落ちにくくなったり、破損の原因になったりもしますので、歯みがき粉は付けずに磨くようにしてください。
2.4 お手入れを怠るとどうなるの?
入れ歯のお手入れを怠ったまま使用を続けていると、さまざまな悪影響につながる恐れがあります。入れ歯に汚れが付着したままになることで、さまざまなお口の常在菌が繁殖する原因になるからです。
具体的には以下のようなリスクがあります。
- ・虫歯や歯周病、口臭の原因になる
- ・義歯性口内炎を発症しやすい状態に
- ・抵抗力が落ちている人(お年寄りやストレスの多い人など)は口腔カンジダを発症しやすくなる
そしてこれらの悪影響を放っておくと、口腔内だけでなく、身体の病気につながる恐れもあるため、日々の入れ歯のお手入れはとても大切なのです。
入れ歯の方の口腔ケアの重要性については、こちらも参考にしてください。
入れ歯の大切さを理解する事が大切
はじめて入れ歯を使用する際、必ず感じるのが、入れ歯に対する不快感です。
「入れ歯の違和感が強くて食事を楽しめない」「入れ歯が無くても他の歯で噛めるから必要ない」そう思って、入れ歯をせずに食事を行ったり、入れ歯を捨ててしまったりする方も中にはいます。
3.1 入れ歯は、口の中のバランスを維持する重要な役目をもっている
入れ歯を付けずに食事をすると、歯や顎骨に悪影響を及ぼす危険性があります。入れ歯があることで、他の歯のバランスを正常に保つ役割もあるのです。
調節を繰り返す事で自分に合った入れ歯が出来上がりますので、「合わない」「必要ない」と感じても、痛みが無い限りは出来るだけ使用し、絶対に捨てないようにして下さい。
3.2 しばらく使用しても不快感が強い場合
入れ歯の種類や調節する歯科医師の技術によっても不快感の強さは変わってきます。特に、保険適用の入れ歯であれば、厚みがあるため、違和感は強く出やすいといわれています。
使用中の入れ歯の不快感が続くようであれば、一度歯科医院で相談する事をオススメ致します。
まとめ
いかがでしょうか?旅行や海水浴など、入れ歯があることで不安を感じる方は、けして少なくありませんが、解決方法を知っていれば何ら心配はございません。
アナタのお口の健康を維持する為に必要な入れ歯です。1つ1つ悩みや不安を解消し、快適な生活を送れるようにしていきましょう。