歯科治療で最も大切といわれる“噛み合せ”。それは、入れ歯であっても同じです。
痛みや違和感、不具合無く、食べ物をしっかり噛める入れ歯でなければ、お口の中はもちろんのこと、身体に悪影響を及ぼします。
今回は、入れ歯づくりで失敗しないためのポイントをご紹介すると共に、その理由と良い歯医者選びのコツも詳しくまとめました。是非参考にして頂ければと思います。
合わない入れ歯を使い続ける危険性とは?
合わない入れ歯や、機能を上手く果たせない入れ歯を使用することは、お口の中だけでなく身体にも良くないとされています。
考えられるトラブルを以下にまとめました。痛みや違和感などを覚えたら、早めに歯科医院で調節を行うようにしましょう。
1.1 食事や発音に不具合がうまれる
緩みやキツさのある入れ歯は、全体に均等な圧がかからないため、痛みが生じやすくなり、噛むことが難しくなります。また、緩い入れ歯だと、入れ歯と歯茎の間に空気が入り込むので、発音に支障をきたします。
1.2 歯茎や顎骨へのダメージが大きい
全体に均等な圧がかからない状態は、圧が強くかかる部分の歯茎を傷つけるだけでなく、その下に存在する顎骨が吸収され、骨の面積が減る原因にもなります。骨の面積や形は、入れ歯の安定感に大きく関係しており、入れ歯以外のインプラント処置でも大変重要なものとなります。
1.3 筋肉や他の骨に必要以上の負担がかかる
合わない入れ歯を無理に使用すると、口周りの筋肉や骨に必要以上の負担がかかります。特に下顎は、首や背中、腰などの、他の骨との関係性も深く、噛み合せが良くない状態が続くことで、肩こりや腰痛が起こりやすくなります。
入れ歯づくりで失敗しないための4つのポイント
入れ歯が合わない事で引き起こされる数々のトラブル。それを防ぐためには、入れ歯を作る前に、大切なポイントを把握しておかなくてはなりません。失敗しないために気をつけるべきこととは一体何なのでしょうか?
2.1 保険適用と自費の違いを知る
入れ歯を使用する上で最も多い悩みとして、入れた直後に感じる“違和感”があります。
金属が使用可能な自費の入れ歯よりも、金属が使えない保険適用の入れ歯のほうが厚みがあるので、口腔内の違和感が強く出る傾向があるといわれています。
また、割れやすいという点も保険適用の入れ歯の特徴です。
2.2 入れ歯を作製する前に、口腔環境を良くしておく
入れ歯を作製する前の型採り時に歯茎の腫れや出血があると、質の良い入れ歯は作られません。理由は、型採りから完成して装着までの間に、口腔内の変化が起こるとその分ズレが生じるからです。
入れ歯を作るときは、ブラッシング指導やクリーニング等を受けて、事前に口腔内の環境を良くしておくことをオススメします。
2.3 自分の癖を知り、必要であれば改善する
「左右どちらかでしか噛まない」などの咀嚼に関する癖は、入れ歯の安定感に大きく関係してくるため、前もって伝えておくと良いでしょう。意識しての食事や、トレーニングが必要になる場合もあります。
2.4 入れ歯の調節は、満足感を基準に行う
噛み合せやフィット感など、入れ歯の調節には必ず時間がかかります。
理由は、1mm以下の幅を削って、確認をする、それの繰り返しだからです。しかし、だからといって妥協をしては絶対にいけません。
これは、調節する術者(歯科医師)は勿論のこと、患者に対しても言えることです。調節時に満足感を感じなければ、必ず早い段階で何らかのトラブルとなって表れます。
“なんとなく”ではなく、“確実に”良い状態を目指しましょう。
入れ歯のトラブルは、後々必ず起こるものであると理解する
入れ歯というものは、歯茎や骨で支えられて機能を発揮します。歯周病や年齢による歯茎や骨の変化が起これば、必ず緩みを感じたり、痛みがでたりなど入れ歯によるトラブルが起こります。
毎日快適に過ごすには、トラブルの早期発見や対策が必要不可欠です。歯科医院での定期的なチェックを受けるようにしましょう。
まとめ
いかがでしょうか?合わない入れ歯では、食事を楽しめないのは勿論のこと、体の痛みやコミュニケーション能力の低下も考えられます。
今回ご紹介した4つのポイントを参考に、是非ご自身に合った入れ歯を手に入れてください。きっとアナタにとって無くてはならない大切な物になるはずです。